コンパイラ 2018 8 11

 時々、ニュースには、
コンピューターに関する専門用語が出てきます。
 なぜ、そういう専門用語が出てくるかと言えば、
今や、コンピューターやソフトウェアに関係する産業は、
巨大な産業となっているからです。
 昔は、マイクロソフト、
今は、アップル、グーグル、
アマゾン、フェイスブックを連想するでしょう。
 「昔はマイクロソフト」と書きましたが、
今、マイクロソフトは「第二の創業」を成功させています。
 マイクロソフトのような巨大企業が、
「第二の創業」をできるのか注目されていましたが、
別の巨大企業へ変身するかもしれません。
 さて、「コンパイラ」というと、
一般の人にとって聞いたことがない言葉でしょうが、
コンピューターのプログラミングを理解するうえで、
非常に重要な言葉です。
 なぜかというと、プログラミング言語を使って、
プログラムを書いたとしても、コンピューターは動きません。
こうしたプログラムを「ソースコード」と呼びます。
 以下は、「C言語」を使って書いたソースコードです。
#include <stdio.h>
int main()
{
int a = 1;
int b = 10;
printf("%d\n",(a+b)*b/2);
return 0;
}
 このようなソースコードでは、コンピューターは動きません。
なぜかというと、コンピューターは「0」と「1」しか理解できないからです。
正にコンピューターは「デジタル」しか理解できません。
 そういうわけで、コンパイラによって、
ソースコードを「0」と「1」に変換する必要があるのです。
 通常、市販の商用ソフトウェアは、
「0」と「1」に変換されたものが販売されています。
 これは、消費者がコンパイルをしなくても、
すぐにプログラムを使うことができると同時に、
別の意味があります。
 プログラムが「0」と「1」になっていれば、
ソースコードがどう書かれていたのかわからないという利点があります。
 上記のようなソースコードは数行しかありませんが、
商用ソフトウェアは、数万行や数十万行もあり、
多くのプログラマーの「努力の結晶」と言えます。
だからこそ、ソースコードは秘密にしたいのです。
 ところが、世の中は、不思議なもので、
秘密にしたいソースコードをあえて公開する運動があるのです。
これを「オープンソース運動」と言います。
 「そんなものを公開してしまったら、
誰もがコンパイルして無料で使えるようになってしまうので、
商売にはならないではないか」と思いたくなります。
 しかし、世の中は、不思議なもので、
コンピューターの「OS」(基本ソフト)は、
公共性があるものなので、
オープンソースであるべきだと考える人たちもいるのです。

Linux 2018 7 8

書名 入門者のLinux
著者 奈佐原 顕郎  講談社ブルーバックス

 多くの人は、コンピューターのOS(Operating System)というと、
マイクロソフト社の「Windows」を連想するでしょう。
 確かに、「Windows」は、パソコン用のOSとしては、
最も優れていて、誰もが使いやすいものです。
 マイクロソフト社の創立者であるビル・ゲイツ氏による、
「世界のすべての人がパソコンを使えるようにしたい」という夢は達成されたのです。
 しかし、今や、コンピューターは、別の方向に動いているのです。
産業用のOSとしては、「Linux」が確立したものとなっています。
 AIコンピューターや「IoT(Internet of Things)」において、
あるいは、自動車や産業用機械の自動運転技術において、
さらに、産業用ロボットや家庭用ロボットにおいて、
「Linux」が中心となっていくでしょう。
 職業的には、「Linux」関連の技術者が不足していくでしょう。
とりわけ、今、ブームになっている「AI(人工知能)」を使うには、
「Linux」は、避けて通れない「入り口」です。
 もちろん、「Windows」で、AIはできなくはありませんが、
使い勝手が悪いのです。
やはり、AIコンピューティングは、「Linux」環境が快適と言えるでしょう。
 誰もがAIコンピューティングを体験したい。
しかし、それには、「Linux」の習得という関門が立ちはだかるのです。
 そういうわけで、学校教育において、
「Windows」を教えるだけでなく、
「Linux」も教えていく必要があります。
 さて、多くの人は、
「Linuxなんて、全くなじみがない」と言うでしょう。
 しかし、多くの人が「Linux」を体験しているのです。
スマートフォンで使われている「Android」とは、
Googleが「Linuxカーネル」を使って開発した、
モバイル用のOS(Operating System)です。
(カーネルとは、Linuxの中枢部を構成するソフトウェアです)
 最近では、家電にもOSが使われていて、
それも「Linuxカーネル」を使っています。
 テレビやDVDレコーダーのOSにも、
「Linuxカーネル」が使われています。
 実は、「Linux」は、
世界で最も多く使われているOSです。
 みんな、体験しているけれど、
みんな、そのことを気づいていない。
それが、「Linux」というOSです。
 思えば、「Linux」の旅は、紆余曲折の連続だったと思います。
昔は、コンピューターとは、汎用コンピューターと端末機という組み合わせでした。
この組み合わせで使われるOSは、「UNIX」でした。
 そこへ参入したのが、パーソナルコンピューター(パソコン)です。
パソコンは、汎用コンピューターの端末機ではありません。
 パソコンでも、「UNIX」というOSが使えればよかったのですが、
「UNIX」は、大型コンピューター用に作られていて、
とうてい、パソコンで使える代物ではなかったのです。
 それでも、パソコンで「UNIX」を使いたい。
そういう多くの人の願望を実現したのが、リーナス・トーバル氏です。
「Linux」は、パソコンでも使えるUNIX系のオペレーティングシステムとして誕生したのです。



















































































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